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raskiのマジックとミステリの部屋

raskiのマジックとミステリの部屋

その他のクロースアップ

Scarne's Magic Tricks
John ・Scarne
技術ほぼ不要のものを200も紹介。ボリュームは多いけれども説明は割と簡潔。基本的なものはかなり載っているといってもよいでしょう。スポンジボール、ロープとリング、カードの場所替え、メンタルマジックなど。

Now You See It, Now You Don't!: Lessons in Sleight of Hand
Bill・ Tarr
日常の品を使った技法図鑑といったところでしょうか。ボール、タバコ、カード、コインなどなど。迫力のある多数のイラストで、文を読まなくてもかなりの部分が理解できる構成。技法だけでなく簡単なマジックの紹介もあります。7

Self-Working Table Magic: 97 Foolproof Tricks with Everyday Objects
Karl Fulves
感じとしては入門書なのですが、なんだか新しいもの、一捻りされたものが紹介されているように感じます。外れる安全ピン(いろいろなバリエーションがあります)、輪ゴムの移動、ハンカチの結び目、マッチ棒のパズル、などなど。



『Learn magic』 Henry・Hay
 ヘンリー・へイ大先生による入門書。入門書としてはなかなかの広さと程よい深さがあるのではないでしょうか。解説はかなり丁寧に、基本からじっくりとなされています。たとえば、基本的なコインの飛行マジックに8ページほど紙面を割いています。

 それでは、少し中身を紹介してみましょう。最初は奇術論。マジックの見方、マジックの心得などを語るように解説。先生の所以のひとつです。ほかにはカードマジック。基本的なハンドリングからパス、パームまで。その他、コイン(マイザーズ・ドリーム)、ボール、シンブル、読心術などいろいろなトリックの基本が紹介されています。

 内容や解説形態を見ると、『ターベルコース』を思い起こさせるところがあると思うのですが、どうでしょうか?ターベルも大先生ですよ。

 この本は、もしかしたら、初心者のための『ミニ・ターベルコース』といってよいのかもしれません。(『ターベルコース』も初心者からプロまでとうたっています)

Hugard's Magic Manual
Jean Hugard
 原題は、『Modern magic manual』。カード、コイン、ボール、タバコ、シンブルなどの技法を、イラスト主体ではなく文章主体で解説した渾身の書です。読むほうも大変ですが、書くほうも大変だったでしょう。いろいろな消失技法、パームが解説されています。

 文章は、ちょっと硬めで、ややそっけない印象がありますが、(あくまで私の受けた印象、『ラーンマジック』と比べたせいかもしれません)不足ではありません。せりふは、読者自身の研究に任されている面があると思います。
 それでは、内容に少し踏み込んでいきましょう。最初のコインマジックは道具不要で、コインの専門書でないことを考慮すると選定はさすがだと思います。たとえば・・・。

・手から手へのコインの飛行
とてもシンプルですが、握ったはずのコインが移動してしまいます。

・帽子からコップへの飛行
どこかで紹介しておきました。

・マイザーズ・ドリーム
空中から何枚もコインをつかむ。ウーダンの方法と、新しい方法を紹介。
コインマジックの本と比較しても劣るものではないと思います。

 カードマジックの技法もシャフルコントロールを中心に、標準的なものを解説。ロイヤルロードの著者だけのことはあります。中に、アンビシャスカードの解説があるにはあるのですが、少しばかりおすすめできません。5枚のカードの発見では、カードの取り出し方を紹介。技法の練習になる良い手順。

 ボールでは、スポンジボール、カップアンドボールがあります。カップアンドボールは、準備が必要、つまり即席ではないことが弱点です。ゴルフボールくらいの大きさののボール(一般に、ビリヤードボールといいます)に関しては、さまざまな消し方を紹介。



『Magic with everyday objects』 George Schindler
特別な道具、仕掛け、技術、事前の準備をできる限り省いたうえで日用品を使ったマジックを紹介しています。それらを排除したところに、150を超えるマジックが成り立っているわけです。

 扱っているマジックは、一般的なもの(よく解説されるもの)が主ですが、分かりやすい文章、見やすい構造の本です(たとえば、せりふはイタリック体になっています)。時折入るさりげないジョークも魅力。内容的にも、手の位置やタイミングなど重要だけど忘れがちなことにも配慮がなされています。ミスディレクションが利いたマジックも多い。

 面白いマジックとしては、スプーンを食べる、ハンカチで生き物を作る、数字を予言する、塩のビン・スプーン・パン・・・を浮かせるなどがあります。ところどころで、ちょっとしたジョークやゲームも紹介されています。

 そのほか、およそ40ページをメンタルマジックに費やしています。この分野は資料が少ないと思われるので、重宝するかもしれません。コインマジックでも、技法を使わないものがいくつか紹介されています。

 問題点としては、新しいトリックが少ないことでしょうか?しかし、私にとっては、知らないトリックが結構ありました。(ただし、解説されているものは十分実用的です。)他に、技法を排除したことも、場合によっては演じる側にとってやや物足りないと言う事態を引き起こすかもしれません。又、日本語にするとまったく意味を成さないトリックや「サクラ」を使ったマジックがいくつかあるのも少しどうかと思います。(前者はもちろん仕方がありません)。

World's Greatest Magic Tricks
Charles Barry Townsend

 名にし負わば、といいたいものですが、この本は基本的、標準的な奇術教本です。新しいトリックを求めるには向いていないかもしれません。とはいえ、一部疑問もあるものの、(ポーカートリックがあまり不思議でないような気がする、など)基礎的なテキストとして、ネタの選定は悪くはないと感じます。

 また、観客から見たときの効果が詳細に描かれており練習しやすくなっているのは大きな魅力です。さらに、必要な道具、必要な準備が丁寧にあらかじめ書いてあることもポイントです。初心者にとっては、いい本になるのではないかと感じます。

 特記事項として、フーディ二のペーパーマジックからの抜粋が1つ、プロフェッサー・ホフマンの『モダンマジック』からの抜粋が1つあることをあげておきます。少なくとも、『モダンマジック』に関しては当時のままのイラスト、文章です。(もうひとつ、ホフマン教授の文章らしきものがあるのですが、出典はわかりませんでした)
 
 フーディにが解説しているのは、なんと折り紙です。ホフマン教授が解説しているのは、「デックの中にばらばらに入れたキングが一箇所に集まるトリック」(『モダンマジック』)とスリー・カード・モンテです。(こちらは出典がわかりません)

 著者のタウンゼンドは、ほかにもパズル関係の本を多数執筆しているそうです。マジックの本としては、ほかに『World best magic tricks』。

 
 


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